It's a small war

きみと僕とのあいだに起こる とるにたらない 小さな諍い

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SWEET HOME

ルイス 「ふう」


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エレナ 「お」

ベンジャミン「おぉ、これは」



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エレナ 「これ全部ルイスが作ったの?」

ベンジャミン「飽き性のルイスぼっちゃまにしては、なかなか精力的でございますね」

ルイス 「まぁね。すべてにおいて妥協を許さない僕としては、人形の服だからといって手を抜くつもりはないからね。この3日間というもの、一睡もせずにがんばったよ」

エレナ 「『次の選挙にアリンコがどうの』とか言いながら、布団でうなされてたの見たけど」

ベンジャミン「しっ。ルイスぼっちゃまの言動にいちいち突っ込んでいるとキリがありませんよ、エレナぼっちゃま」

ルイス 「本物志向の僕としては、やはりロゴ入れに苦労したよ。色々調べているうちにシルクスクリーンのやり方まで勉強しちゃって、このときばかりは凝り性の自分を呪ったね」

エレナ「へー! じゃこのロゴ、シルクスクリーンでやったの?」


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ルイス 「いや、アイロンで貼るやつ。Tシャツは既製品だし、今は便利な物があるよね!」

ベンジャミン 「どこが本物志向でどこが凝り性なのか説明していただきたい」

エレナ 「ルイスに突っ込んでるとキリがないよ、ベンジャミン」



ベンジャミン「・・・まぁ、こうしてめでたく一応完成したわけですから、とっととプレゼント応募の告知をして、さっさと配ってしまいましょうか」

ルイス 「え、ちょっと待ってよ! まだ全然完成してないよ?!」

エレナ 「え?」

ベンジャミン「まだなにかプリントなさるので?」


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ルイス 「そうじゃなくて、これからこのTシャツ一枚一枚をアレンジして、世界に一つしかないオリジナルな服に仕上げるんだよ! えーと、まずは1、2ヶ所、血ノリをペイントしてと。それからところどころ、破れた穴を空けてと」

ベンジャミン「・・・嫌な予感がしてまいりました」

エレナ 「・・・オレも」

ルイス 「(←聞いてない)破れた穴はつくろわず、安全ピンで留めるのがパンクスタイルの定番だよね。でも僕は、あえてそのスタイルに疑問を呈する。反逆がテーマのパンクファッションに「安全」なんてナンセンスさ!」

エレナ 「ルイスのBABYなんとかってパンクブランドだったんだ?」

ルイス 「同じピンなら、先っちょまるだしの虫ピンか画鋲のほうがパンクの服には相応しいよ。刺さるか刺さらないか、常に背中合わせの緊張感こそが反逆児のスタイルさ!」

エレナ 「それ危なくない?」

ベンジャミン「まず、激しく周りに迷惑ですな」

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ルイス 「・・・フッ。きみたちのそういう反応は、実は織り込み済みなんだ」

ベンジャミン「と、申しますと」

ルイス 「だから僕は、あえてホッチキスを使用するッ!」



ベンジャミン「ルイスぼっちゃま、意味が不明です」



ルイス 「・・・きみたち、「ホッチキス」の語源を知っているかい」

エレナ 「バカにすんな、それくらい知ってるよ! 三度の飯よりトランプが大好きな貴族だろ!」

ベンジャミン「それはサンドイッチ伯爵です、エレナぼっちゃま」


ルイス 「(←聞いてない)まったく無知だね! ホッチキスはね、機関銃の発明者であるホッチキス氏の名前に由来するんだよ。なんでも発明当時、紙の束に綴じ針を連続して打ち込むさまが、機関銃のように見えたかららしい」

エレナ 「へー」

ベンジャミン「ふむふむ」

ルイス 「僕はこの逸話を聞いたとき、心臓が震えたね。つまり、ホッチキスの針はそれ自体が一個一個の弾丸なのさ。穴の空いたTシャツ、それにホッチキス。これ以上にパンクスに相応しいスタイルがあるだろうか?」

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エレナ 「ルイスってパンクスだったんだ?」

ルイス 「(←聞いてない)このTシャツを着る人に捧げるイメージは、「鉄条網をくぐり抜け、自由への片道切符を手にしてハダシで線路を駆けていく傷だらけの少年」なんだ。破けた穴にホッチキス加工したら、さらに泥ハネをしぶきのようにペイントして、疾走感を出すつもりさ!」


ベンジャミン「お待ち下さい、それはヘタすると「不器用な貧乏人がカレーを盛大にこぼした服」にしか見えないのでは・・・」

エレナ 「そうかも」

ルイス 「そっ、それは見方の問題だろ!」

ベンジャミン「ルイスぼっちゃま、ご自分でもおっしゃっていたではないですか。皆もっと個性的な装いをしたらいいと。あまりアク・・・いや主張の強い服を贈られると、その方の個性を殺してしまいかねませんよ」

ルイス 「・・・・・・!」


ベンジャミン「Tシャツのアレンジは当選した方におまかせするのでいかがですか。それでこそ、ルイスぼっちゃまの提唱する真に自由なファッションだとわたくしは思いますよ」

ルイス 「・・・・・・ベンジャミン・・・君の言うとおりだ。僕は間違っていた・・・」

エレナ 「間違い認めるのスゲー早いな!」


ルイス 「(←聞いてない)僕がみんなに提供するのは、自由な真っ白いカンヴァスであるべきなんだ・・・僕はクリエイターとして思い上がっていたよ!ブランドイメージの押し付けなんて、デザイナーとして最低だ!」

エレナ 「ルイスってクリエイターでデザイナーだったんだ?」

ベンジャミン「そもそも無地のまま配るのが一番問題ないんですがねぇ」











そのときは、Tシャツのことで頭がいっぱいで、誰も気づいていませんでした

この家の、玄関へと続く陽の当たらない廊下で、ごく小さな足音がしたことに

たとえ辺りが静まり返っていたとしても、はっきり聞き取るのは難しいほどの

本当に小さなその足音が、ゆっくりこちらへ近づいてくることに








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08061803.jpg




「・・・やっとたどり着いたと思ったら、」



08061808.jpg



ジミー 「騒がしーな、相変わらず」




*****



というわけで、のちほどベンジャミンからTシャツプレゼントについての告知記事をアップいたします。

| BABY,THE AIR IS NOT VISIBLE | 12:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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