It's a small war

きみと僕とのあいだに起こる とるにたらない 小さな諍い

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Who is the head of the row?

ルイス 「問題は、いまトコロテンの先っちょにいるのは誰なのか、ってことさ」

エレナ 「はぁ?」


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ルイス 「・・・気になるよね。トコロテンの先っちょ。あー!それは一体誰なんだ!!」

エレナ 「この爽やかな気候の下、一体全体、何の話をしてるのかサッパリわかんないんだけど」




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ルイス 「エレナ、きみ、人形オーナーが言うところの『トコロテン方式』って知ってるかい」

エレナ 「? なにそれ」

ルイス 「ヤッパリ知らないのか。まぁそうだよね。僕も、オーナーの友人の口からその単語を聞くまで知らなかったんだ」

エレナ 「だからなんなんだよ、それ」

ルイス 「・・・はぁ(溜め息) 『トコロテン方式』なんて、知らないほうが幸せさ」

エレナ 「そこまで言われたら逆に知りたくなるだろ!」



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ルイス 「きみの立場を考えたら、今はまだ話すべきじゃないって気がするんだ・・・」

エレナ 「・・・ルイス、よく他人から”ウザい”って言われない?」

ルイス 「(←聞いてない)・・・つまりさ。僕らキャスト製の球体関節人形って、日本の住宅事情からいくと、かなり場所をとるだろ」

エレナ 「え? あ? あぁ、まぁそうかも」

ルイス 「本体価格は最低でも3万円はくだらないし、本体を買ったら最後、服やら靴やら目玉やら、付属品にもっとお金がいる。僕らを手元において面倒を見るのも、それなりに手間がかかるわけだ」

エレナ 「ふぅん。でもオレ、そんなに手間かけられてる気、しないなぁ。服だって靴だってほとんどルイスと共有だしさ」

ルイス 「エレナ、そこだよ。そこが問題なんだ」

エレナ 「え?」


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ルイス 「いいかい。昨今のドールブームで、今巷にはそれこそ多種多様な人形があふれかえってる」

エレナ 「ふむふむ」

ルイス 「毎日のように発売される、各メーカーの新作や限定商品といった、魅力的な子たち。彼らを前にすれば、オーナーの心はゆらぐのさ。”こんな可愛い子は初めて! 欲しい!”ってね」

エレナ 「? それがなんか困るの? 新しい子が増えるの、オレも楽しいから気持ち分かるよ」

ルイス 「エレナ、まったくきみはおめでたいね! いいかい、よっぽどの大金持ちでもないかぎり、普通のオーナーが、僕ら人形に与えるスペースと予算には限りがある」

エレナ 「? うん」

ルイス 「二人や三人ならいざしらず。だけど、もう人数的にも経済的にもいっぱいいっぱいの家の場合、新しい人形を迎える前には、避けて通れない儀式がある」

エレナ 「儀式?」

ルイス 「つまり、新人のための物理的・経済的余裕を確保するために、オーナーにとって思い入れの薄い人形を他人に譲り渡す・・・それが恐怖の『トコロテン方式』さ!」

エレナ 「・・・なぁルイス、さっきからオレ気になってるんだけど」

ルイス 「ん?」

エレナ 「あの自転車って、ルイスの?」







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ルイス 「エレナ、僕の話ぜんぜん聞いてないでしょ」

エレナ 「いやそーゆーわけじゃないんだけど」

ルイス 「自転車なんかどうでもいいよ! 僕が今気になっているのは、この家における『トコロテン』の先っちょがいったい誰なのかってことで」

エレナ 「あぁ、そーゆーこと?」

ルイス 「”あぁ、そーゆーこと?”  いいかい? この家の人形ヒエラルキーをよく考えてごらんよ!」

エレナ 「うん」

ルイス 「僕ちょっと図にしてみたんだけど」






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エレナ 「字スゲー汚ないな!」

ルイス 「(←聞いてない) まず頂点に君臨するのが背伸びさ。この家で一番の古株で、なおかつ紅一点だからね。オーナーの思い入れもひとしおって気がするんだ」

エレナ 「ふむ」

ルイス 「二番手は悔しいけどジミーかな。私服の数なら僕が勝ってるけど、あの、人を人とも思わないクールでドライなカリスマ性と独特の存在感は、他のドールじゃ太刀打ちできないよ」

エレナ 「(”いつか下こく上”ってなんだろう・・・)」

ルイス 「・・・ベンジャミンと僕らの間に優劣をつけるべきかどうかは迷ったんだけど」

エレナ 「うん」

ルイス 「彼はこの家の執事だからね。もとはセルロイドの安物だけど、新素体を得た今、青い妖精社から新しい執事限定でも出ない限り、ポジション的に売却されることはないって気がする。とするとヒエラルキーの最下層に残るは僕、そしてきみなんだよ、エレナ」

エレナ 「なるほどねぇ」


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ルイス 「そんな他人事みたいな相槌打ってる場合じゃないよ」

エレナ 「だってさぁ」

ルイス 「きみは本当に危機感がないな!僕らはいわば、トコロテンの先っちょを押し付けあう敵同士・・・ようするに、次に新人が来た場合、トコロテン方式で放出されるかもしれないのは」

エレナ 「オレでいいよ」

ルイス 「?!」

エレナ 「もしそういうことになったら、オレ別の家に行くよ」



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ルイス 「エレナ、何を言ってるんだい!」

エレナ 「いろんな家を渡り歩くのも楽しそうじゃん」

ルイス 「そんなことを軽々しく言うもんじゃない! 行き着く先が、今の家よりもっと酷い家だったらどうするの」

エレナ 「・・・ルイス、オレさ、もともとアタマとカラダも別々でこの家に来たし、メイクもオーナーがやったから相当いい加減だし、人形にとってなにが酷い目とか、よくわかんないんだよ」

ルイス 「エレナ、」

エレナ 「ルイスは今の家が気に入ってるんだろ。次に誰かが行かなきゃいけない場合は、とりあえずオレが行くから、ルイスは心配しなくていいよ」

ルイス 「・・・きみってやつは・・・!」


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エレナ 「今日はよく晴れてるけど、すごく涼しくて風が気持ちいいな」

ルイス 「・・・・・・」

エレナ 「オレ、草の匂いって大好き」

ルイス 「・・・・・・」

エレナ 「・・・ルイス? どうしたの?」

ルイス 「・・・なんでもない・・・僕はいま、自分で自分を殴りたい気持ちでいっぱいさ」

エレナ 「? そんなことしたら痛いよ」




(なんとなく続きます)

******




野外撮影で蚊にさされまくりました。

今時期は観光シーズンなので、人目を忍ぶそのスリルがまたたまらない。

| ジミー、大きくなる | 10:40 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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